2020年2月11日 10:00食品容器も脱プラスチック・減プラスチックを。代替素材の課題と可能性

世界的に深刻な問題となっている、海洋プラスチック汚染。

減らすべきプラスチック製品として話題に上ることが多いものといえば、ストローやレジ袋などがまず挙げられます。

しかし、惣菜やお菓子などの容器もプラスチック製のものが多いことから、食品容器の脱プラスチックや減プラスチックを図ろうとしている企業も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は食品容器の脱プラスチックについて、代替素材の課題と可能性についてご紹介します。

 

企業が脱プラスチックに取り組むべき理由

皆様は「マイクロプラスチック」というものをご存じでしょうか。

 

一般的なプラスチックは、紫外線などによって細かく粉砕されますが分解はされないため、微細な粒となって自然界の中に残ります。

その結果、海洋に流れ出たものが魚や貝などの体内に取り込まれ、生態系への影響が懸念されてきました。

すでに人体からも見つかっており、脱プラスチックは世界的に喫緊の課題となっています。

 

日本の人口1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量は、世界第2位。

環境省では2030年までに使い捨てプラスチックを累積25%排出抑制するという目標を立てており、今後はさらに脱プラ・減プラが進められていくものと思われます。

 

脱プラへの取り組みは持続可能な社会を作るために必要なだけでなく、企業イメージを構築する上でも重要になってきます。企業イメージをクリーンなものにできれば社会的な評価も上がり、利益にもつながることが期待されます。

今や、脱プラスチックへの取り組みは経済や環境などに大きな影響を与える企業としての社会的責任を果たすためにも必要なことなのです。

 

食品容器の脱プラ・減プラをするには

プラスチックの食品容器

では、食品容器の脱プラのためにはどのような方法があるのでしょうか?

 

Refill(リフィル/詰め替え)システムを作る

海外で取り入れられている方法のひとつが、Refill(リフィル/詰め替え)システムです。

これは、昔の豆腐屋のように、消費者が持参した鍋やボウルなどに購入した食品を入れてもらい、持って帰る方法のことを指します。

 

日本でもマイボトルやタンブラーを持参してコーヒーを購入できるカフェが増えてきています。Refillシステムは事業ごみが出ないことが特徴で、うまく機能すれば減プラのみならず、ごみの削減・資源の有効利用にも貢献できる理想的な方法ともいえます。

 

一方で、持参した容器に入れた食品を食べた後で体調不良が発生した場合の責任問題といった衛生面での問題や、イレギュラーな作業が発生することにより業務効率が低下する場合があるなどの問題があり、導入は簡単なことではありません。

消費者の要求も高くなっていることから、現代日本で普及させるのはあまり現実的でないといえるでしょう。

 

紙やバイオプラスチック製の容器に替える

脱プラ・減プラの現実的な選択肢としてより多くの企業で検討されているのが、バイオプラスチックや紙といった代替素材への切り替えです。

 

バイオプラスチックには、微生物により分解される「生分解性プラスチック」と再生可能なバイオマス資源を原料とする「バイオマスプラスチック」とがあります。

国のプラスチック資源循環戦略でも利用の促進を図っていくことが盛り込まれており、脱プラのための重点戦略のひとつとして期待されているようです。

 

紙素材も大きな選択肢のひとつで、例えば最近では外装をプラスチックから紙包装へと変更したチョコレート菓子などが注目を集めました。

 

代替素材の問題点

良いことばかりのように思われるプラスチック代替素材ですが、導入のためには課題もあるようです。

マイクロプラスチックが散乱した海岸

バイオプラスチックは海に流れ込んでも分解されない?

生分解できる、バイオマス資源が原料である…夢の素材とも思われるバイオプラスチックですが、実は原料によっていくつもの種類があり、その生分解性もまちまちです。

 

水環境や土壌環境では分解されにくいというものも多く、海洋生分解性プラスチックは未だ開発段階。

高温多湿のコンポストで堆肥化するシステムが構築されなければ従来のプラスチックと同じという意見もあります。

 

また、コストが高いというのも導入に向けて立ちはだかる問題のひとつ。

原料の確保にも課題があり、従来のプラスチックから移行するにはハードルの高さがあるようです。

 

紙は森林破壊につながる?

紙については、原材料が木であることから「森林破壊になるのでは?」という意見も。

 

もちろん計画なしに伐採したり資源を乱用したりするのは問題ですが、管理された人工林であれば伐採後も植林を繰り返すため、木の利用がそのまま森林面積の減少につながるわけではありません。

現時点では、紙は自然界で完全に分解され、人が生産を管理できる数少ない素材のひとつです。

 

紙素材の課題は、耐油性や密閉性においてプラスチックに劣るという点。

確かに水分や油分の多い食材を入れて密封するのには、不安を感じる方も多いことでしょう。

 

代替素材の食品容器の可能性

前項でプラスチック代替素材の問題点を挙げてきましたが、近年の紙製品は従来よりも耐水性・耐油性の高いものが開発され、プラスチック製品と変わらない強度のものも登場しています。

スナック菓子やお茶など、酸素や湿気に弱いものも包装できるような紙製のバリア素材も開発されており、環境にも見た目にもやさしい紙製パッケージが実現しています。

 

内側にPET処理を行うことで耐油性を高めたり、プラスチック製のふたを使うことで密閉性を高めたりした紙容器の採用で、まずは一歩ずつ「減プラ」をすすめ、そして将来的には実用化のすすんだ海洋生分解性バイオプラスチックと紙容器の併用によって「脱プラ」を目指す―

そんな進め方も選択肢のひとつではないでしょうか。

 

おわりに

日本は世界に大きな経済的影響を及ぼしている国のひとつですが、プラスチック廃棄量も非常に多く、環境面では悪影響を与えている国だともいえます。

日本企業として環境に対する社会的責任を果たすためにも、脱プラスチックは早急に取り組むべき課題です。

 

プラスチックの代替素材として紙が注目される中、天満紙器は今後も脱プラに取り組む企業様のお役に立てるよう、これからも紙製の食品容器の開発・販売に取り組んでまいります。

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