2020年4月2日 08:00中食産業の市場規模が右肩上がり。その理由と今後配慮すべきポイントとは

近年、調理済みの食品を購入し自宅で食べる「中食産業」の需要が高まってきています。

持ち帰り用のメニューを追加する店舗や、テイクアウトの消費者をメインターゲットに設定するお店も増加しており、中食産業の市場規模は年々拡大を続けています。

中食用のメニューを新たに開発する場合は、お客さんのニーズや市場拡大の背景、それに伴う課題などを事前に把握しておくことが重要です。

今回は、中食産業の市場規模が広がっている理由と、今後配慮すべきポイントをご紹介します。

 

中食の市場規模

日本総菜協会が発行している「2019年版総菜白書」によると、2018年の総菜市場規模は10兆2518億円です。

「総菜」には、おにぎりや寿司、弁当といった米飯類のほかサンドイッチ等の調理パン、煮物や焼き物、サラダ等の一般総菜などが含まれます。

2016年の9兆8399億円、2017年の10兆555億円に続いて右肩上がりに拡大を続けており、10年前である2008年の8兆2156億円から大幅に成長を遂げました。

内訳は専門店他、食品スーパー、コンビニエンスストアの順に市場規模が大きく、消費者のライフスタイルが強く表れている点が特徴です。

中食産業は今後もさらなる成長が期待できる分野として、さまざまな業界から注目を集め始めています。

 

消費者動向から見る中食の市場規模

同じく日本総菜協会の「2019年版総菜白書」によると、総菜の月平均購入金額は2,000円未満の世帯が半数を占めています。

カテゴリー別では米飯類と一般総菜が多く、スーパーマーケットで販売されている総菜の場合、購入頻度の高い3品目はコロッケ、握り寿司・巻き寿司、鶏の唐揚げです。

揚げ物や寿司といった家庭で作るのが大変なメニューが上位を占めており、中食の利点が如実に結果へ表れています。

 

また、調理済み包装食品であるポテトサラダや肉じゃが、サバの味噌煮など冷蔵で日持ちしやすい「袋物総菜」は年々消費の増加を続けています。

この傾向からも、消費者が中食に利便性を強く求めていることも分かります。

 

中食産業が好調な理由

テイクアウトの食べ物
中食産業が拡大を続ける理由には、時短ニーズや消費税増加といった要素が影響していると考えられます。

 

手軽で時短という中食の利点が時代のニーズにマッチ

購入したあと持ち帰ってすぐに食べられる手軽さは、中食メニューが持つ大きな特徴です。

家庭や学校、職場で食べるためにお弁当やサンドイッチを購入するだけでなく、総菜をおかずの一品に加えて時短に役立てる人も増えています。

また、調理済みの食品を家庭で作るメニューの材料として取り入れるなど、さまざまな用途で使える点も購入のしやすさに繋がっています。

スーパーやコンビニエンスストアをはじめ、身近な店舗で販売されている品目の種類が大きく増加している点も購買意欲を刺激しやすく、中食産業が拡大している理由のひとつといえるでしょう。

 

軽減税率が中食産業に与える影響は?

2019年10月から施行された消費税率の引き上げは、消費者の選択肢に大きな影響を与えました。

店内で飲食する場合は10%の税率が適用されるのに対し、調理済みの食品を購入し家庭で食べる場合は8%の軽減税率が適用されます。

わずかな差ではありますが、同じメニューを頼んだ場合に店内飲食よりもテイクアウトのほうが安く済むことにメリットを感じる消費者は少なくないでしょう。

また、デリバリーやテイクアウトメニューの専門店など、軽減税率の適用と消費者のニーズに合わせた業態も発展してきています。

 

新型コロナウイルスなどの感染症拡大による外食控えも

さらに、短期的な需要ではありますが、2019年12月に中国で発生した新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が日本でも感染拡大したことに伴い、店内での飲食を控える人が増え、テイクアウトやデリバリーの需要が増加しました。

感染症拡大を防ぐ目的でテレワークの推進などの働き方改革が一気に進んだことも、中食の市場規模のさらなる拡大に一役買うかもしれません。

 

中食産業が今後配慮していくべきこと

食品容器
中食産業が今後さらなる発展を遂げていくためには、健康問題や使い捨て容器による環境問題といった、さまざまな点にも配慮していくのが重要です。

 

塩分・脂肪分過多による健康への悪影響

総菜やテイクアウトメニューは冷めてもおいしく食べられるよう濃いめに味付けされていることが多いことから、頻繁に中食を利用した場合に肥満や内臓疾患といった健康への悪影響が起きることが懸念されています。

特に、弁当類などの総菜は消費者が繰り返し利用するケースも多いため、選ぶ品目や栄養バランスが偏っていると塩分・脂肪分過多に繋がり健康に悪影響を与えてしまいます。

全体の栄養バランスを考えて調理するほか、塩分や脂肪分が少ない材料を使用するというように、メニュー作りの段階で健康問題を意識して工夫することをおすすめします。

 

環境への負担が少ない容器選びもポイント

環境に大きな負担をかける廃プラスチックを削減する動きは、中食産業にとっても見逃せない要素です。

持ち運びやすさや見栄えの良さを考慮し、プラスチック製の容器が用いられる場合が多いためです。

 

2019年5月に環境省によって策定された「プラスチック資源循環戦略」には、2030年までに使い捨てプラスチックを累積25%排出抑制する、容器包装の6割をリユース、リサイクルするなどの目標が盛り込まれています。

中食産業で用いるプラスチック容器の代替品と注目されているのが、紙を素材に作られた食品容器です。

環境への負担が少ないだけでなく、耐水性や耐熱性、耐油性といった機能を持つ製品も展開されており、消費者と生産者の両方にとって使いやすい点が魅力です。

 

おわりに

店舗で総菜や弁当を販売する際は、容器の脱プラスチックなどの要素にも気を付けることが大切です。

環境への負担が少ない紙容器は高い実用性を持っており、店舗で食品を陳列するときはもちろん、イベントでテイクアウトメニューを販売するときにもおすすめです。

 

「EL41 エコライト B ミドル (ホワイト) https://www.temma.co.jp/el41/」は、総菜をおしゃれに盛り付けられる浅型の円形トレー。

抜群に軽く、形状変化に強いので扱いやすい点が便利です。

 

深さのある「CR8744 カールカップ (未晒茶無地) https://www.temma.co.jp/cr8744/」は1枚成形のため液漏れせず、サラダや総菜など汁気の多いメニューにぴったり。

サイズバリエーションが豊富なのでメニューに適した大きさを選べることも大きな魅力です。

 

エコで利便性に優れた紙容器を上手に活用して、市場規模の拡大を続ける中食産業を盛り上げていきましょう。

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Categoly: 特集 営業担当 三原

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